友人とシャグマを煮た話

世間はGWに浮かれる5月初旬、自分は札幌駅からバスで1時間弱の山のふもとにいた。前日に友人が虫取りに行く人を募集していたのでそれに乗っかったのである。

 

友人はあるカミキリムシが目当てだったらしいが、2時間ほど探しても採れなかった。自分もほとんどキノコを発見出来ず、くたびれた雰囲気で下山中のこと。


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あった。その特徴的な形はどう見てもシャグマアミガサタケ。しかもかなり大きい。握り拳より少し大きいくらいのサイズ。

 

猛毒で知られているが、毒ぬきをすれば食用になることは知っていたので採取。たまたま友人がカセットコンロを持っているというので一緒に食べることにした。

 

ここで注意して欲しいのだが、シャグマアミガサタケはあくまでも「猛毒のキノコ」である。絶対に処理をせず食べてはいけない。自分はともかく、友人を殺すわけにはいかない(自分も死にたくないけど)。

 


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蒸気にも毒が含まれるため、絶対に室内ではやるべきではないだろう。ネットではベランダや外階段でやっているパターンが多かったが、自宅はベランダなし内階段である。……ということで万全を期した結果このような絵面になった。
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これなら蒸気を吸い込む心配もないだろう(怖いので調理中はしばらく離れたところで見張っていた)。


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手との大きさ比較。自分の手は手首から中指の先までだいたい20cm。

 

肝心の毒ぬきは、「シャグマの体積の3倍の沸騰した水で5分茹でこぼすⅹ2セット」で食べれるようになるらしいが、怖いので今回は「沸騰した水で8分茹でこぼす×3セット」とした。1回目は石づきの部分をそのままにしていたが、2回目からは切り落とした。茹でる前は石づきの部分が脆かったため一緒に茹でたのだが、必要な水が多くなり時間がかかるので最初から取っておいた方が良かっただろう。

 


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煮ている最中。確か1回目の茹で。アクがかなり出る。肉を煮ている時のような、野生味のある匂いがする(匂いがわかるということは若干毒成分を吸入していた……??)。


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茹でる度に出るアクは減った。これは3回目の茹での写真。

 

処理の終わったシャグマを早速食べることに。まずは煮ていた鍋をしっかり洗う。本当は要らない鍋で茹でて、食べる際は別の鍋を使う方がよいのだが、鍋がひとつだったのでやむなし。大きかったので4等分にし、友人と1切れずつ食べることに。残った2切れは自宅で乾燥させた。


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炒めて、塩コショウでいただく。シンプルな調理法の方が味がわかりやすいはずだ。

 

(´〜`)モグモグ

想像していたよりも柔らかい。もっと弾力があるのを想像していたが、歯ごたえは少なかった。もしかしたら煮すぎたかもしれない。旨味は強い。ただ、想像していたパンチのある旨味ではなくて上品な旨味だった。匂いはやはり肉に近い。豚肉を茹でた時の匂いが1番近いかな?

 

切り分けずにひとつ丸々かじっていたらもっと食べ応えがあったかもしれない。単体だと味にパンチがないので、料理法は工夫の余地がありそう。北欧の一部では食べるようなので、そこでのレシピが知りたい……

 

ちなみに、その後自分も友人も腹痛や嘔吐などの中毒症状は出なかったので毒ぬきは成功していたよう。ただこれが正解かは分からないし、食べたい人は充分調べてからやることをおすすめします。

 

次はベニテングタケも食べてみたいなぁ(当たるの覚悟で)(ベニテングタケは友人を巻き込まないでやる)。